じゃがいもダイエット

じゃがいもはご飯や食パンと比較して、カロリーが低く、糖質量が少ない上に、RSが極めて多い特徴があります。さらに、ビタミンCやカリウムが豊富です。主食としてご飯や食パンの代わりにじゃがいもを食べることで、カロリー制限と糖質制限をするだけでなく、…

がんとは何か?

1971年、ニクソン大統領のがん撲滅宣言以来50年が経過するが、莫大な研究費用にもかかわらず、他疾患と比較してがんの生存率の改善は微々たるものである。 「がんはランダムで多数の遺伝子突然変異が重なることによる遺伝子異常による」とする体細胞突然変異…

電磁波にご注意あれ!

21世紀に入り、送電線や家電などが発する低周波の電磁波や、ラジオ、テレビなどの電磁波に加えて、携帯電話やWi-Fiなど、より周波数の高い電磁波に、四六時中ばく露されるようになっている。5Gの時代になると、携帯電話基地局は現在の100倍に増え、さらに電…

NAD+低下の解決策

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)は全ての細胞に見いだされ、無数の生物学的プロセスの酵素活性に不可欠な補因子として働いています。NAD+の主な働きは、食物をエネルギーに変換することと、健全な細胞を保持することであり、NAD+なしに私たち…

もっと外に出よう!日光浴をしよう!

ミトコンドリアでATPの副産物として生じる活性酸素種(ROS)はミトコンドリア機能を障害し、パーキンソン病、心筋症、糖尿病、がんなど多くの疾患の原因となる。ミトコンドリアは好気性細菌の酸素呼吸能力と共に、強力な抗酸化物質であるメラトニンの産生能…

高尿酸血症に対する臨床対応

尿酸値が7 -7.9 mg/dLの無症候な健康な男性を15年間観察したところ1年間の痛風発作の発症確率は0.5%であり、多くの高尿酸血症患者は無症候であった。(Campion EW, Am J Med. 1987) 最近のシステマティックレビューでは、男性で13 mg/dL女性で10 mg/dL以上…

高尿酸血症は本当に治療が必要なのか?

高尿酸血症は単に痛風の原因であり、さらに、慢性腎臓病(CKD)患者に観察される高尿酸血症は腎不全による尿酸排泄障害の結果であると考えられ、積極的は治療対象とは考えられていなかった。 およそ毎日700mgの尿酸が合成され、70%は尿に、30%は腸管に排泄さ…

プラークは血栓から生じる

「アテローム性動脈硬化プラークはコレステロール(LDL)からなる」とするコレステロール仮説を、世界中の循環器専門医を含めた全ての人が信じて疑いません。しかし、LDLが内皮下にどのように取り込まれ、プラーク内の脂質は本当にLDLであるのかすら、実は証…

免疫を支えるビタミンDのその他の重要な機能

1)ビタミンDはTh1細胞の産生を減らす。それにより、炎症性サイトカインの産生を減らし炎症の進行を抑制する。(Palmer M.T., J. Biol Chem. 2011))*Th1細胞はヘルパーT細胞の亜型 2)ビタミンDは制御性T細胞の分化を促進させる。それにより、サイトカ…

ビタミンDとレニン・アンジオテンシン系の相互関係

レニン・アンジオテンシン系(RAS)は血圧を調節するために血液量と体血管抵抗を調整する重要な働きをする。アンジオテンシンIIとアンジオテンシン(1-7)はRASを正しく機能させるために非常に重要な因子である。(Simko F., Int. J. Mol. Sci. 2021) アン…

ビタミンD3の代謝経路

7-デヒドロコレステロールは紫外線により皮膚でビタミンD3(コレカルシフェロール)となる。ビタミンD3は2つのヒドロキシル化(水酸基 -OH の導入)を経て活性化される。まず、ビタミンD3は肝臓で、25-ヒドロキシラーゼにより25(OH)D3(カルシジオール)と…

コレステロールが高いと総死亡率が下がる(観察研究)

2011年、ノルウエーのHUNT2スタディーが最も新しいので紹介します。ノルウエー人52 087人 (男性24 235 、女性 27 852 ) 20-74歳の心筋梗塞、狭心症、脳卒中の既往のない人が対象で観察期間は10年に及びます。結果は、コレステロール増加に伴い、女性では死亡…

コレステロールが高いと総死亡者数は減る

同様に、グラフは世界保健機構(WHO)のデータから192ヶ国の総コレステロール値と総死亡者数の関係を調べたものですが、コレステロール値と総死亡者数に関連を認めません。相関係数も高くなり、男性も女性も右肩下がりに見えます。他の観察研究(ホノルルスタ…

コレステロールが高いと心筋梗塞は減る?!

グラフは世界保健機構(WHO)のデータから192ヶ国の総コレステロール値と心筋梗塞患者数の関係を調べたものですが、コレステロール値と心筋梗塞死亡者数に関連を認めません。ばらつきは多いですが、男性は横ばい、女性は右肩下がりに見えます。少なくとも正の…

人間は肉食である

一つの種の全ての動物は同じ食べ物を食べる様にデザインされている。ウサギは草を食べ、ライオンはシマウマを食べる。ホモ・サピエンエンスである人間だって同様に、同じ食べ物を食べる様にデザインされているはずである。 野生の動物も原始的な狩猟採集民族…

コレステロールと心筋梗塞死は関連しない

グラフはMONICA試験14か国にマルコム・ケンドリックがオーストラリアのアボリジニを加えたものです。 コレステロールが高い順に左から右に並べましたが、心筋梗塞死は同様に右肩上がりにはならず、正の相関は認められません。 コレステロールの最も低いアボ…

糖質制限食によるLDLコレステロールの増加:Lean Mass Hyper-Responderの証明

糖質制限食による LDLコレステロール(以下LDL)の変化は均一ではない。糖質制限食(130g/日以下)を続けた597人でBMIと脂質マーカーとの相互関係を調べたところ、BMIはLDLの変化と逆相関した。また、健康な代謝のマーカーであるTG/HDL比の減少はLDLの増加を…

米国大人の半分が代謝異常

米国の大人の肥満(BMI>30)の20%には全く病気がありません。一方、正常体重(残り)の40%に、高血圧、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞、脳卒中、認知症、がんなどの慢性疾患を認めます。米国大人の半分に代謝機能異常を認めることになります。これらの慢性疾患の…

飽食の後に飽食が続いたら・・

食べ物の少ない冬に備えて動物たちが肥満となるのは、脂肪と言う良質なエネルギーを身体に貯蔵するためです。実りの秋に炭水化物を大量に摂取すると、大量のインスリンが分泌され、同時にインスリン抵抗性が生じます。しかし、それにより過剰に摂取した糖か…

肉食で行こう!

肉食ダイエットは植物食を一切摂らない、糖質ゼロのダイエットである。肉は全ての栄養素が含まれているだけでなく、植物食の様に私たちに有害な物質や抗栄養素が含まれていないので、生物学的利用率が高くとても合理的である。また、メニューや調理をあれこ…

高血糖から細胞を防御するメカニズム

肥満は、新生した脂肪を肥満細胞に貯蔵することで、肝臓内での過剰なde novo lipogenesis (DNL:新規脂肪酸合成)を避けようとします。脂肪が脂肪細胞に貯蔵されれば、代謝障害は生じません。脂肪が臓器(肝、膵、筋肉など)に蓄積すると、代謝障害(メタボ…

2型糖尿病は肝膵の異所性脂肪蓄積による

ジェイソン・ファングは『内臓に蓄積した異所性脂肪による生理的欠陥』により2型糖尿病を発症すると説明しますが、これも画期的でとても納得がいきます。 異所性脂肪の蓄積には2相があります。第1相は、肝臓と筋肉に蓄積した異所性脂肪によるインスリン抵…

2型糖尿病に有効な薬ってどれ?

2型糖尿病の人は血糖が高くなるだけじゃなくて、細胞内にも糖が溢れています(オーバーフロー現象)。身体中に溢れた糖を外に出さないことには治りません。だから糖を摂って良くなるなんてことはあり得ないわけです。糖質制限の話はさておき、糖尿病治療薬…

スタチンで冠動脈カルシウムスコアが増加?

冠動脈カルシウムスコアが年に15%以上増加すると、将来心筋梗塞になるリスクが非常に高い。(Raggi P, Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology. 2004) 冠動脈カルシウムスコアの進行がスタチンにより1年で29.7%増加するが、スタチンとPCSK9阻…

鼻うがいしてみませんか?

新型コロナウイルスの主要な感染経路は空気媒介感染(飛沫感染とエアロゾル感染)です。 のど風邪の原因であるコロナウイルスは主に上咽頭粘膜の細胞に感染します。PCR検査で上咽頭粘膜をこすって検体を採取するのは、口の奥の中咽頭粘膜よりも鼻の奥の上咽…

マグネシウム(Mg)と免疫

Mgは600以上の生物学的プロセスの不可欠な補因子である。(Caspi R., Nucleic Acids Res. 2011)Mgは酸化的リン酸化、エネルギー産生、タンパク質合成、糖分解、核酸合成に必要である。(Saris N.-E.L., Clin. Chim. Acta. 2000)Mgイオンは他のイオンの細胞…

亜鉛について

亜鉛は自然免疫、獲得免疫の形成に欠かせません。亜鉛はSARS-CovウイルスのRNAポリメラーゼ活性を抑制し細胞内のウイルスの複製を抑制します。(Baric RS,PLoS Pathog. 2010)亜鉛はCOVID-19の予防と治療に有効です。(Mossink JP. BMJ Nutr Prev Health 202…

悪いのはLDLじゃなくて植物油!

LDLコレステロールそのものは動脈硬化巣の泡沫細胞形成に関わらず、酸化変性したLDLがその原因であると考えられています。では、酸化LDLとはいったい何なのでしょうか? LDL粒子の中で酸化変性しやすいのはコレステロールエステルやリン脂質の不飽和脂肪酸で…

バターを摂ろう!

植物油は肥満や糖尿病などの慢性疾患の増加と強く相関します。最近になり、その因果関係は、ミトコンドリアで生じる活性酸素(ROS)がシグナルとなり、細胞を生理的で一時的なインスリン抵抗性にするとする考えにより説明が可能となりました。 インスリンは、…

植物油は危険ですよ!

肥満、糖尿病、心疾患、がんなどの慢性疾患は増加の一途をたどり、現在アメリカ人の10人に6人に何らかの慢性疾患があります。 慢性疾患の原因として、タバコ、運動不足、アルコール多飲、食ベ物が挙げられますが、タバコは年々減少、運動量は年々増加、アル…