悪いのはLDLじゃなくて植物油!

LDLコレステロールそのものは動脈硬化巣の泡沫細胞形成に関わらず、酸化変性したLDLがその原因であると考えられています。では、酸化LDLとはいったい何なのでしょうか?
LDL粒子の中で酸化変性しやすいのはコレステロールエステルやリン脂質の不飽和脂肪酸であり、活性酸素フリーラジカルなどによる攻撃の標的となっています。中でも、最も酸化しやすいのがオメガ6不飽和脂肪酸であるリノール酸です。酸化LDL仮説は酸化リノール酸仮説と言えるかもしれません。
今日、私たちの摂取カロリーの約20%を100年前には存在しなかった植物油から得ており、リノール酸の消費は劇的に増加しました。粥状動脈硬化症の形成に酸化LDLは重要な役割を果たしますが、それは酸化リノール酸や危険な酸化リノール酸代謝物質の作用によります。食事のリノール酸量(主に植物油)を減らすことは、LDLのリノール酸量を減らし、酸化LDLを減らし、粥状動脈硬化症と冠動脈疾患のリスクを減らします。ちなみに、スタチンで酸化LDLを減らすことはできず、泡沫細胞の形成を抑制することもできません。(つづく)
詳しくはFB特集記事「酸化LDLはリノール酸が酸化したLDL 」をご覧ください。
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