酒にもゴルフの誘惑にも負けず
毎日コツコツと勉強する
ドグマを盲従することはせず
皆に阿保と蔑まれても
真実を追い求め
決して知ったかぶりをしない
PUFAを排除し
砂糖の摂取を恐れず
ストレスを鎮めて
睡眠を重んじ
筋肉を鍛えて
健康なからだをつくる
薬の処方は最小限とし
患者に決して害をなすことのない
そういう医者に私はなりたい
酒にもゴルフの誘惑にも負けず
毎日コツコツと勉強する
ドグマを盲従することはせず
皆に阿保と蔑まれても
真実を追い求め
決して知ったかぶりをしない
PUFAを排除し
砂糖の摂取を恐れず
ストレスを鎮めて
睡眠を重んじ
筋肉を鍛えて
健康なからだをつくる
薬の処方は最小限とし
患者に決して害をなすことのない
そういう医者に私はなりたい
デンマークの観察研究でBMI(Body Mass Index)27の過体重で最も総死亡率が低く、BMI30以上の肥満の総死亡率もBMI18.5-25の正常枠と変わらなかった(肥満パラドックス)。また、2型糖尿病治療で血糖降下剤(インスリンも含む)による血糖正常化の安全性を確認する介入試験では、グリコヘモグロビンA1cの平均が7.5で総死亡率が最も低くなるU字型相関を示した。慢性的炎症が糖尿病の多くの合併症(心血管疾患や腎臓病など)の根本的な原因である。これまで高血糖がその原因と考えられてきたが、脂肪酸代謝物とミトコンドリア機能障害が原因であることが解明された。厳格な血糖コントロールをしても、2型糖尿病患者の総死亡率を改善できないのは、脂肪酸代謝物が炎症を起こし代謝障害を引き起こすからである。
肥満・糖尿病患者に対する3大栄養素の推奨比率は、炭水化物(C)60-65%、タンパク質(P)20%、脂肪(F)15-20%くらいの高炭水化物低脂肪食である。ちなみに、世界で最も心血管疾患(CVD)の少ないボリビアのチマネ人はC72%、P14%、F14%の高炭水化物食であり、CVDの多い米国人はC52%、P14%、F34%で脂肪の割合が大きい。
炭水化物でも、小腸で残らず消化吸収されるブドウ糖、果糖、砂糖などの単糖や二糖類(糖類)の摂取が望ましい。でんぷんなどの多糖類は小腸で消化吸収ができないレジスタントスターチを含み、水溶性繊維とともに腸内細菌のえさとなり、腸内細菌を増殖させるからである。また、糖類は同じ量のでんぷんよりも基礎代謝量を増加させる。
植物でも、完熟果物は問題が少ないが、穀物、野菜、豆類、ナッツには反栄養素と言われる有害化学物質(フィチン酸塩、シュウ酸塩、レクチン、グルテンなど)が含まれ、食物に含まれる必須栄養素やミネラルの吸収を妨げ、腸管バリア損傷(リーキーガット)の原因となる。植物を摂取する際、生は避け、良く調理して摂取するのが良い。
腸管バリアの保護には、飽和脂肪酸、ナイアシナミド、グリシン/ゼラチン、ビタミンA/D/E/K/B2などが有効である。また、腸内細菌の増殖を予防治療するためには、不溶性食物繊維(ニンジンサラダなど)や活性炭、抗菌薬などが有効である。また、TLR4アンタゴニストとしてナルトレキソン、シプロヘプタジン、プロゲステロンなどが有効である。
タンパク質は必須アミノ酸が豊富な動物性タンパク質の摂取が望ましく、摂取量の目安は0.7-1g/kg体重である。過剰に摂取したタンパク質は、コルチゾールの分泌を促進し、アミノ酸に分解され、肝臓で糖新生に利用されるが、アンモニアの産生量を増加させる。アンモニアは肝臓で尿素に変換され腎臓で排泄されるが、肝腎機能が低下した際には、タンパク質の摂り過ぎに十分注意が必要である。
脂肪は多価不飽和脂肪酸(PUFA)であるサラダオイルを極力避け、飽和脂肪酸(SFA)であるココナッツオイル、バターの利用が望ましい。一価不飽和脂肪酸であるオリーブオイルも問題は少ない。反芻動物である牛や羊は第1胃でPUFAをSFAに変換することができるが、単胃である鳥や豚は飼料(穀物)中の脂肪酸がそのまま反映されるためPUFAが多い。鳥肉や豚肉の過剰摂取には注意が必要である。
糖質制限をしている糖尿病患者は、炭水化物33%、タンパク質33%、脂肪33%から始めることを提案する。1日1800kcalの食事として600kcalが炭水化物由来と考えると、炭水化物(糖質)150gに相当し、緩い糖質制限に相当する。ここから50gずつ糖質を増やして300g(66%)を目指す。糖質カウントの知識を身に着けることはとても重要である。砂糖のグリセミックインデックス(60%)は決して高くない。高血糖を恐れず、砂糖を積極的に摂取する勇気を必要である。
カロリー制限食や絶食や運動は結果的にストレスとなりコルチゾールを増加させる。朝食を抜くだけでも昼食と夜食の食後血糖が増加することが示されており、絶食でインスリン抵抗性が改善することはない。運動も、カロリー消化を目的とする有酸素運動よりも、筋肉量を増加する筋トレを推奨する。特に、糖をエネルギー源とし、グリコーゲンを多く貯蔵する速筋線維(タイプII)を増やすのが良い。筋トレの目標は筋肥大ではなくミトコンドリアを増やすことであり、コンセントリックな収縮(短縮性収縮)運動が望ましい。また、ミトコンドリア生合成の最大刺激はCO2であり、ブテイコ呼吸法が有効である。
Bioenergeticsによる慢性疾患の治療の骨子は、ストレスを減らし、PUFAの摂取を制限し、糖の酸化代謝を可能な限り高め、ホルモンバランスを是正し、腸内細菌叢を一定数に保ち、結果的に安静時基礎代謝量を増やす事である。肥満・2型糖尿病の治療においては、エネルギー代謝を改善し、活力に溢れた生活を送ることが目標である。現状のガイドラインによる治療では、体重や血糖のコントロールはできても、基礎代謝量を増やすことはできない。Bioenergeticsによる知識を駆使して基礎代謝量を増やす必要がある。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, diabetes, mortality)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。
PUFAがインスリン抵抗性の主因であることは間違いない。ミトコンドリアにおける脂肪酸酸化の増加による還元ストレスの増加(NAD/NADH比の低下)、酸化的リン酸化の抑制、プロスタグランジンや過酸化代謝物による炎症反応、エストロゲンやコルチゾール様の内分泌効果、エンドトキシンの活性化、膵臓β細胞への毒性、インスリンシグナルを直接阻害などにより、PUFAはインスリン抵抗性を引き起こす。(詳細は過去記事「インスリン抵抗性のメカニズム」を参照)
もう一つの重要な原因は慢性的ストレスである。慢性的ストレスによる視床下部-下垂体-副腎(HPA)軸の過剰な活性化は全ての病気の原因となり、甲状腺機能を低下させる。コルチゾールはインスリンによる肝臓と筋肉のグリコーゲン合成を阻害し、肝臓の糖新生の抑制や脂肪細胞の脂肪分解の抑制を阻害し、インスリン抵抗性を引き起こす。遊離脂肪酸の増加や交感神経系の活性化も同時に起こり、インスリン抵抗性はさらに悪化する。
また、慢性的なコルチゾールは、TLR系のシグナルの増加と、プロスタグランジン産生酵素(COX2)発現の増加により、長期的には炎症反応を増加させる。インスリンは抗炎症効果があり、コルチゾールの炎症効果に拮抗する。つまり、高炭水化物食には抗炎症効果がある。
長期的な絶食(またはカロリー制限食)と運動はストレスとなる。絶食や運動による体重の低下は、代償機転により安静時基礎代謝量(RMR)を減らす。脂肪酸酸化の増加による体重の低下はインスリン抵抗性を改善しない。また、コルチゾールによる筋肉分解による糖新生は常に病的である。インスリン抵抗性の改善のためには、RMRを増やし、HPA軸の柔軟性を回復することが重要であり、体重は好ましくない環境に適応した一徴候でしかない。また、細胞内の乳酸の蓄積は低代謝状態の信頼できる徴候であり原因でもある。
ストレス過多の治療にはコルチゾール作用のブロックが必要となる。実際、コルチゾール受容体拮抗薬であるミフェプリストンは2型糖尿病の治療に有効である。プロゲステロン、DHEA、プレグネノロン、テストステロン、VD、アスピリンなどでも、コルチゾール作用を低下させることが可能である。また、高炭水化物食はミトコンドリアにおける糖酸化を増やしてRMRを増加し、インスリン抵抗性を改善する。
肝臓で合成する性ホルモン結合タンパク質(SHBG)やアルブミンの低下は死亡率を増加し、肝代謝の健康指標である。肝臓はエストロゲン、コルチゾール、アルドステロンを処理不活化し、T3を合成する。インスリン抵抗性は肝臓の機能低下とも言える。
最後に、腸内細菌とエンドトキシン、腸内細菌に依存するセロトニンもインスリン抵抗性の原因である。抗菌剤による殺菌はインスリン抵抗性を改善する。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, insulin resistance)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。
グリシンは抑制系神経伝達物質である。ブドウ糖はグリシン受容体アゴニストである。大量の糖を摂ると眠くなるのはグリシン受容体を通して脳を抑制するからである。また、グリシンはGABAアゴニストでもある。GABAアゴニストはコルチゾールを低下させ、結果的に血糖を低下させる。また、グリシンは抗セロトニン効果がある。
グリシンは5-ARを活性化し、アロプレグナノロンとDHTを増やし、コルチゾールとエストロゲンの不活化を促進する。アロプレグナノロンは胆汁酸受容体(TGR5)を活性化し代謝を増加する。
グリシンはエンドトキシンとTLR4アンタゴニストである。グリシンはCaイオン流入を抑え、抗炎症、免疫調節効果を発揮する。グリシンはカプシド形成を予防し、普遍的な抗ウイルス効果がある。グリシンはミトコンドリアの老化を元に戻す。グリシンはメチオニン制限と同じくらい寿命を延ばす。グリシンは肝臓の鉄毒性から守る。グリシンは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)インヒビターで、がんを予防治療する。また、グリシンはアスピリンの吸収を増やし、アスピリンの不利益な胃腸傷害を完全に取り除く。ゼラチンで代用可(30%がグリシン)。
不眠症、せん妄、幻覚症、統合失調症、脳卒中、耳鳴り、肥満、脂肪肝(NAFLD/NASH)、脂質異常症、アルコール性肝障害、T1D、T2D、GERD、出血性潰瘍、IBD、糖尿病性神経症、クッシング症候群、骨粗鬆症、がん、がん悪液質、老化などを治療する。
タウリンは胆汁酸産生を促進する。胆汁酸は全身に広く発現する胆汁酸受容体(TGR5)に結合し、糖代謝を改善し、肝臓のグリコーゲンを増加させる。胆汁酸は肝臓の脱ヨード酵素を活性化してT4→T3変換を促進し、基礎代謝量を増加させる。Se、ZnもT4→T3の変換を促進する。
タウリンはGABAアゴニストで、ドーパミンを増やす。タウリンは脳におけるトリプトファンの毒性を打ち消す。タウリンはテストステロンを増やす。タウリンはPUFAとエストロゲンの排泄を促進し、インスリン抵抗性を改善する。
タウリンはビタミンA、D、E、Kの生物学的利用度を高める。タウリンは食事からのタンパク質の利用を劇的に改善する。
タウリン、BCAA、MgはCaイオンチャンネルの抑制により、心筋梗塞の損傷を軽減する。タウリンは線維化を抑制する。タウリンはVEGFインヒビターでがんに有効である。ウイルス、細菌、真菌、毒物の排泄を促進する。タウリンはアスピリンの吸収を倍増する。
不眠症、うつ、精神病、PD、AD、脱毛症、肥満、糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、甲状腺機能低下症、腎障害、炎症性疾患、がんなどを治療する。
テアニン
テアニンは緑茶・紅茶に含まれる旨味成分である。テアニンはGABAアゴニストである。テアニンはセロトニン合成阻害と分解促進により強力にセロトニンを減らす。一方、ドーパミンを増やし、グルタミン酸アンタゴニストである。また、テアニンで脳のα波を増やして鎮痛効果がある。
また、テアニンはコルチゾールを減らし、アンドロゲンを増やし、エストロゲンを減らす。
テアニンは肥満細胞を安定させ、抗ヒスタミン、抗セロトニン効果を発揮し、アナフィラキシーショックを抑制する。緑茶(カテキン)はエストロゲン性なので摂りすぎに注意が必要。
不眠症、うつ、興奮性、IBS/IBD、アナフィラキシーショックなどを治療する。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, glycine, GABA)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。
古代ギリシャ・ローマの時代から、柳の樹皮に解熱作用のあることは知られていた。19世紀にはサリチル酸が分離され、解熱鎮痛剤として使用された。1897年、バイエル社はサリチル酸をアセチル化することで胃腸障害の少ないアセチルサリチル酸(アスピリン)を合成した。アスピリンはシクロオキシナーゼ(COX)をアセチル化により阻害し、プロスタグランジン産生を抑制して抗炎症作用・解熱作用を、トロンボキサンの産生を抑制して抗血小板作用を発現する。
アスピリンは11b-HSD1を抑制しコルチゾール合成を減らす。アスピリンはアロマターゼインヒビターでエストロゲン合成を減らし、テストステロンを増やす。アスピリンは腸からのトリプトファン吸収を阻害し、セロトニン合成を減らす。アスピリンはチロシンキナーゼを活性化し、ドーパミン合成を増やす。さらに、アスピリンはグルタミン酸アンタゴニストでグリシンを低下させる。
アスピリンはBBOXインヒビターでカルニチン合成を阻害し、脂肪酸酸化を抑制する。アスピリンは脂肪合成酵素の発現を抑制し、脂肪酸合成を抑制する。アスピリンはチトクロームCオキシダーゼの発現を増やす。アスピリンはミトコンドリアのアンカップリングを増やす。アスピリンは脂肪細胞の脂肪分解を抑制する。アスピリンはセラミド合成を抑制する。アスピリンは脂肪代謝の改善によりインスリン感受性を高める。
アスピリンはNFkBを抑制し、老化と炎症で増加するミトコンドリアの分裂(フラグメンテーション)を減らす。
他にも、アスピリンは線維化を予防する。アスピリンは抗菌、抗真菌効果がある。アスピリンはバイアグラと同等のED治療効果がある。アスピリンは骨折を減らし骨密度を上げる。アスピリンアスピリンは鉄をキレートする。
アスピリンは胃腸出血と脳出血のリスクを問題視されることが多いが、心筋梗塞、脳梗塞、がんのリスクを減らすなど、健康利益の方がはるかに大きい。実際、アスピリンによる胃腸出血が死亡率を増加させることはない。また、アスピリンはエストロゲンを抑制し、血管の脆弱化を防ぐことで、脳動脈瘤の成長を遅らせ出血リスクを減らす。アスピリンの胃腸出血はピロリ菌感染が原因である場合が多い。アスピリンによる粘膜傷害に重曹、グリシン、カフェイン、テアニン、Mg、ビタミンB6が有効である。ビタミンKも出血リスクを減らす。また、ピロリ菌にココナッツオイルが有効である。
アスピリンは全てのがんの発症を予防し、死亡率を低下させる。容量が多いほど有効である。特に、乳がん、前立腺がん、大腸がんに有効である。アスピリンは寿命を延ばす。
その他、片頭痛、うつ、統合失調症、MS、PD、ハンチントン、AD、肥満、糖尿病、心疾患、脳梗塞、子癇前症、早産、先天性欠損症、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、胆石、慢性膵炎、肺気腫、HIV感染症、炎症性疾患、腎臓病、敗血症、がん、悪液質を治療する。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, aspirin, GI bleeding)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)は、生体の全ての細胞に存在する普遍的な電子輸送体、補酵素、シグナル伝達分子で、細胞の機能と生存に不可欠である。
NAD+はナイアシナミド(NAM)より合成され、NAD/NADH比を増加することで、酸素呼吸(酸化的リン酸化)を活性化して、解糖系を抑制する。クレブス回路で産生されたCO2は乳酸合成を抑制する。また、NAMはミトコンドリア生合成を刺激し、グリコーゲン貯蔵を促進し、インスリン感受性を改善する。
NAMは脂肪組織の脂肪分解を抑制し、また、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT1)を阻害して、ミトコンドリアにおける長鎖脂肪酸の代謝を抑制する。
NAMはヒストン脱アセチル化酵素 (HDAC)インヒビターである。サーチュイン(SIRT)はNAD依存性HDACの一つである。SIRTにより、がんは脂肪酸酸化(FAO)と脂肪酸合成(FAS)を同時に亢進する。NAMはSIRTを抑制し、FAO/FASを抑制し、がん治療を促進する。また、NAMはHDACを阻害してT細胞を活性化し免疫能を改善し、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の抑制によりアポトーシスを防ぐ。
NAMはコルチゾール不活化酵素(11b-HSD2)を活性化し、コルチゾール合成酵素(11b-HSD1)を抑制し、コルチゾール合成を低下させる。また、SIRT1はエストロゲン受容体(ER)発現を増やすため、NAMは抗エストロゲン性であり、5-ARを活性化してDHT合成を増やす。
NAMはセロトニンのアンタゴニストでGABAアゴニストである。
NAMはNSAID(アスピリン含む)による胃の損傷を治療する。同様に、重曹、カフェイン、グリシン、タウリン、B6も有効である。
NAMはSIRTインヒビターであるが、ニコチンアミドモノヌクレオチド(MNM)、ニコチンアミドリボシド(NR)、レスベラトロールはSIRTアクチベーターである。
ナイアシン(B3)はNAD+合成のためにNAMに変換される必要がある。NAMと異なり、ナイアシンはヒスタミンとセロトニンを分泌し、肝臓グリコーゲンを減らし、高インスリン血症を引き起こす
NAMは、流産、死産、先天性欠損症、子癇前症、うつ、PTSD、ALS、PD、AD、脳梗塞、肥満、T1D、T2D、心不全、ストレス潰瘍、アルコール性肝疾患、NAFLD、肝硬変、B型肝炎、腎不全、ウイルス感染症、細菌感染症、真菌感染症、結核、リーキガット、エンドトキセミア、アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全、骨粗鬆症、サルコペニア、メラノーマ、乳がん、前立腺がん、肝がん、膵がん、大腸がん、老化などを治療する。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, niacinamide, SIRT)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。
B1(サイアミン)
B1はDCA(ジクロロ酢酸)の様にPDKを阻害してPDHを活性化し、糖代謝を促進し、乳酸を減らす。果糖もPDHを活性化する。B1欠乏は乳酸を増加(ワーバーグ効果)し、がんの原因となる。B1はアセタゾラミドの様に炭酸脱水酵素(CA)を阻害してCO2を増やす(CO2分解を減らす)。B1+アセタゾラミドはコルチゾールを低下させる。B1はPUFAを減らす。B1+B2で肝臓のエストロゲンを不活化する。脚気やウエルニッケ脳症はエストロゲン毒による。
B1は統合失調症、MS、ALS、PD、肝硬変、IBD、橋本病、腎臓病、がんなどを治療する
B2(リボフラビン)
B2はエンドトキシンとTLR4のアンタゴニストである。B2はMAO-Aの補因子でセロトニンを減らす。B2は糖代謝を改善し、サーカディアンリズムを調節する。B2はリポフスチンを減らし老化を遅らせる。
B2は近眼、片頭痛、敗血症、細菌感染症、IBD、GIがんなどを治療する。
B6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)
B6と活性型ピリドキサール5リン酸(P5P)はアンチストレス剤である。コルチゾールアンタゴニストでアンチアドレナリンである。グルタミン酸を減らしてGABAを増やす。ドーパミンアゴニストでプロラクチンインヒビターである。さらにエストロゲンアンタゴニストである。B6はアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)インヒビターで、脂肪酸の合成を阻害し、β酸化を促進し、肥満を改善する。B6は胃のH+K-ATPアーゼを調節しPPIとして働く。B6、Mg、ZnはNOを減らす。B6-100mgはピリドキサールリン酸P5P-10mgに相当。
B1、B2、B6、B7は肥満、糖尿病を治療する。B6は喘息、片頭痛、ADHD、自閉症、てんかん、PD、胃潰瘍、IBD、全ての炎症性疾患とがんに有効。
B7(ビオチン)
ビオチンはピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)を活性化して、ピルビン酸をオキザロ酢酸に変換し、乳酸を減らし、クレブス回路を回す。PDHが働かない時にPCが働きクレブス回路を維持する。また、ビオチンはPDKを阻害してPDHを活性化し、脂肪分解を減らし、糖代謝を改善する。ビオチンはグリコーゲン貯蔵を促進する。ファモチジン、ウリジンもグリコーゲン貯蔵を促進する。ビオチンは脳と血液のアンモニア、NO、グルタミン酸を下げる。
注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, B1, PDH)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。