オレンジジュースを飲もう!

炭水化物をご飯やパンなどのでんぷんではなく、果物やオレンジジュースなどの糖類で摂ることをお勧めします。なぜなら、糖類は消化吸収が良く、ビタミン・ミネラルが豊富で、腸内細菌を増やさず、反栄養素を認めないからです。さらに、オレンジには健康増進に働くナリンゲニンが豊富なのです。

オレンジジュース1Lの総カロリー量は450kcalで、炭水化物は110gで、タンパク質は少なく、脂肪はほぼゼロです。炭水化物は全てブドウ糖、果糖、ショ糖(1:1:2)の糖類からなり、食物繊維はゼロです。また、ビタミンA、B群、C、EやK、Mg、Ca、Fe、I などのミネラルが豊富です。

意外に思うかも知れませんが、オレンジジュースは白米や食パンより血糖を上昇させません。果糖は血糖を上げないので、ブドウ糖と果糖が結合したショ糖(砂糖)のグリセミック・インデックス(GI)値は65と低目で、果糖の豊富なオレンジジュースのGI値は52とさらに低くなります。一方、ブドウ糖の塊である白米と食パンのGI値はそれぞれ85と90と高目です。

また、白砂糖と異なり、完熟果物は果糖に加えてビタミンやミネラルが豊富なので、糖代謝を悪化させません。はちみつやメープルシロップなどの自然の糖類にも同じことが言えます。一方、異性化糖(液糖)(HFCS)やアスパルテームスクラロースなどの人工甘味料は肥満・糖尿病を悪化させるので注意が必要です。

食物繊維がゼロであることは必ずしも腸活に不利とはなりません。実は、腸内細菌が増えるほどその死骸も増えるため、グラム陰性菌細胞壁の一部であるリポ多糖類(エンドトキシン)も増加します。食物繊維の過剰摂取によるエンドトキシンの増加は、肥満、糖尿病、自己免疫疾患、神経変性疾患、心血管疾患、がんなどの原因となることが分かっています。また、ご飯やパンに含まれる難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)にも同じことが言えます。食物繊維とでんぷんを含まないオレンジジュースには、その心配がありません。さらに、オレンジジュースにはTLR4受容体とTLR2受容体の発現を減らし、腸内細菌やエンドトキシンによる免疫反応を抑制する効果があります。

植物は害虫などからの身を守るために有害な化学物質を合成します。豆類ほど多くはないですが、米、小麦にも、フィチン酸、レクチンなどの反栄養素が含まれ、健康への悪影響を及ぼしますが、オレンジジュースには認めません。

最後に、柑橘系フラボノイドであるナリンゲニンは、酸化ストレスと炎症を抑制し、糖尿病、心血管疾患、がんを予防することが分かっています。また、ナリンゲニンはウイルス複製を強力に抑制し、COVID-19を含むウイルス感染症に有効です。

果物やオレンジジュースで糖尿病が悪化することはありません。主食の代わりにオレンジジュースを飲んでみませんか?