じゃがいもダイエット

じゃがいもはご飯や食パンと比較して、カロリーが低く、糖質量が少ない上に、RSが極めて多い特徴があります。さらに、ビタミンCやカリウムが豊富です。主食としてご飯や食パンの代わりにじゃがいもを食べることで、カロリー制限と糖質制限をするだけでなく、プレバイオティクスの補給により腸内細菌叢の健全化を推進します。じゃがいもは食べ応えがあり、腹持ちもよく、食べ過ぎが心配な方にもおすすめです。

でんぷんはアミロースとアミロペクチンが水素結合により隙間なく規則正しく並んだミセル構造をしています。加水・加熱すると、ミセル構造が壊れて水分子が入り込み、ふっくらと柔らかく消化酵素が働きやすい状態となります(糊化)。しかし、糊化したデンプンを冷やすと、再びミセル構造を形成します(老化)。つまり炊き上げたご飯やジャガイモを冷蔵庫で冷やすとRSが増加するのです。一般的に水分量が30-60%、温度が2-10℃で最も老化速度が速くなります。再加熱の場合でも、70℃を超えなければRSは残る様です。

最近、白米の重さの3%分のココナッツオイルまたはバターを入れて米を炊き、冷蔵庫に12時間置くことで、RSが増加し、カロリーが50%減ることが報告されています。

じゃがいもはナス、トマト、ピーマン、唐辛子などと同じナス科の植物で、糖アルカロイドと呼ばれる天然の農薬(毒)が含まれています。じゃがいもにはソラニンが含まれ、調理する際には芽の部分や皮が緑色になっている部分をしっかり取り除く必要があります。ソラニンは腹痛や吐き気等の症状を引き起こすことがあり、加熱調理してもなかなか分解されないので注意が必要です。

蒸かした後冷蔵庫で冷やした中くらいのじゃがいも(150g)を2個食べることで、およそ18gのRSと4gの食物繊維(皮なし)を摂ることができ、食物繊維の1日摂取目標量20g以上を満たすことが可能となります。腸内細菌叢を健全化する方法の一つとして、RSの極めて多いじゃがいもダイエットは非常に有効と思われます。