NAD+低下の解決策

ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドNAD+)は全ての細胞に見いだされ、無数の生物学的プロセスの酵素活性に不可欠な補因子として働いています。NAD+の主な働きは、食物をエネルギーに変換することと、健全な細胞を保持することであり、NAD+なしに私たちは生存することができません。NAD+の低下は生まれた日から始まり、20年毎におよそ50%、指数関数的に低下し、認知機能低下、がん、代謝疾患、サルコペニアなど、数多くの老化関連疾患を引き起こします。
動物実験では、ニコチンアミドリボシド(NR)やニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の補充により病気と健康寿命の改善が得られましたが、ヒトの臨床試験ではまだ確認されていません。実際、NMNが足りないからNAD+レベルが低下しているという証拠もありません。
NAD+レベルの回復には、NAD+合成サルベージ経路の酵素を若い頃と同じように強化する必要があります。また、NAD+の無駄な消費プロセスの見直しが必要です。NAD+をNMTに変換する酵素であるNAMPTはサルベージ経路の律速酵素で、加齢により低下し、NAD+の低下と相関します。
細胞のエネルギーセンサーであるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の増加はNAMPTを活性化し、細胞内のNAD+レベルを増加させます。NMNの補充は少量のNAMとNAMPTの活性化ほど役に立ちません。1日25-50mgx3程度のニコチンアミド(NAM)により多くの人が反応し、費用もNRやNMNの1/50程度で済みます。
AMPKを活性化してNAMPTを増加するには、運動、カロリー制限食(または絶食)、サーカディアンリズムの最適化があります。また、DNA傷害によるNAD+の消費を減らすために、電磁波(EMFs)や不要な医学的X線の被ばくを回避する必要があります。
詳しくは特集「NAD+アップデート」をご覧ください。