米国大人の半分が代謝異常

米国の大人の肥満(BMI>30)の20%には全く病気がありません。一方、正常体重(残り)の40%に、高血圧、糖尿病、脂質異常、心筋梗塞脳卒中認知症、がんなどの慢性疾患を認めます。米国大人の半分に代謝機能異常を認めることになります。これらの慢性疾患の主な原因はインスリン抵抗性です。インスリン抵抗性の原因は、高インスリン血症であり、炭水化物の過剰摂取です。つまり、食事を低糖質食(低炭水化物食)に変えることで、多くの疾患を回避することが可能なのです。
膵臓からインスリンがだけでなく、グルカゴンというホルモンが分泌されます。インスリンは摂食とエネルギー貯蔵という同化反応(anabolism)に、グルカゴンは断食とエネルギー燃焼という異化反応(catabolism)に働きます。
インスリン・グルカゴン(IG)比が低いと、カロリー制限をしなくても断食と同じような効果が得られます。つまり、インスリン感受性が亢進し、オートファジーが亢進し、脂肪分解が進み、褐色脂肪細胞が増加します。低糖質食では断食と同様に異化が亢進するので、活力がみなぎり、気分良く生活ができます。低糖質食で蛋白質を摂取してもIG比は変わりません。低糖質食では断食と同様に、糖新生の必要が高いので、蛋白質を大量に摂取してもケトーシスは維持できます。
低IG比を維持するために、1.糖質を制限する(1日50g以下)、2.タンパク質を優先的に摂取する(体重1kgあたり1-2g)、3.足りないエネルギーを脂肪で満たす(動物脂肪、ココナッツ、オリーブオイル、アボガド)、の3ステップが必要です。

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