生体エネルギー学の臨床(10) ビタミンB群について

B1(サイアミン)

B1はDCA(ジクロロ酢酸)の様にPDKを阻害してPDHを活性化し、糖代謝を促進し、乳酸を減らす。果糖もPDHを活性化する。B1欠乏は乳酸を増加(ワーバーグ効果)し、がんの原因となる。B1はアセタゾラミドの様に炭酸脱水酵素(CA)を阻害してCO2を増やす(CO2分解を減らす)。B1+アセタゾラミドはコルチゾールを低下させる。B1はPUFAを減らす。B1+B2で肝臓のエストロゲンを不活化する。脚気やウエルニッケ脳症はエストロゲン毒による。

B1は統合失調症、MS、ALS、PD、肝硬変、IBD、橋本病、腎臓病、がんなどを治療する

 

B2(リボフラビン

B2はエンドトキシンとTLR4のアンタゴニストである。B2はMAO-Aの補因子でセロトニンを減らす。B2は糖代謝を改善し、サーカディアンリズムを調節する。B2はリポフスチンを減らし老化を遅らせる。

B2は近眼、片頭痛、敗血症、細菌感染症IBD、GIがんなどを治療する。

 

B6(ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン)

B6と活性型ピリドキサール5リン酸(P5P)はアンチストレス剤である。コルチゾールアンタゴニストでアンチアドレナリンである。グルタミン酸を減らしてGABAを増やす。ドーパミンアゴニストでプロラクチンインヒビターである。さらにエストロゲンアンタゴニストである。B6はアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)インヒビターで、脂肪酸の合成を阻害し、β酸化を促進し、肥満を改善する。B6は胃のH+K-ATPアーゼを調節しPPIとして働く。B6、Mg、ZnはNOを減らす。B6-100mgはピリドキサールリン酸P5P-10mgに相当。

B1、B2、B6、B7は肥満、糖尿病を治療する。B6は喘息、片頭痛ADHD自閉症てんかん、PD、胃潰瘍IBD、全ての炎症性疾患とがんに有効。

 

B7(ビオチン)

ビオチンはピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)を活性化して、ピルビン酸をオキザロ酢酸に変換し、乳酸を減らし、クレブス回路を回す。PDHが働かない時にPCが働きクレブス回路を維持する。また、ビオチンはPDKを阻害してPDHを活性化し、脂肪分解を減らし、糖代謝を改善する。ビオチンはグリコーゲン貯蔵を促進する。ファモチジン、ウリジンもグリコーゲン貯蔵を促進する。ビオチンは脳と血液のアンモニア、NO、グルタミン酸を下げる。

 

注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, B1, PDH)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。