生体エネルギー学の臨床(13) グリシン、タウリン、テアニンについて

 

グリシン

グリシンは抑制系神経伝達物質である。ブドウ糖グリシン受容体アゴニストである。大量の糖を摂ると眠くなるのはグリシン受容体を通して脳を抑制するからである。また、グリシンはGABAアゴニストでもある。GABAアゴニストはコルチゾールを低下させ、結果的に血糖を低下させる。また、グリシンは抗セロトニン効果がある。

グリシンは5-ARを活性化し、アロプレグナノロンとDHTを増やし、コルチゾールエストロゲンの不活化を促進する。アロプレグナノロンは胆汁酸受容体(TGR5)を活性化し代謝を増加する。

グリシンはエンドトキシンとTLR4アンタゴニストである。グリシンはCaイオン流入を抑え、抗炎症、免疫調節効果を発揮する。グリシンはカプシド形成を予防し、普遍的な抗ウイルス効果がある。グリシンミトコンドリアの老化を元に戻す。グリシンメチオニン制限と同じくらい寿命を延ばす。グリシンは肝臓の鉄毒性から守る。グリシンは血管内皮細胞増殖因子(VEGF)インヒビターで、がんを予防治療する。また、グリシンアスピリンの吸収を増やし、アスピリンの不利益な胃腸傷害を完全に取り除く。ゼラチンで代用可(30%がグリシン)。

不眠症、せん妄、幻覚症、統合失調症脳卒中、耳鳴り、肥満、脂肪肝(NAFLD/NASH)、脂質異常症、アルコール性肝障害、T1D、T2D、GERD、出血性潰瘍、IBD、糖尿病性神経症、クッシング症候群、骨粗鬆症、がん、がん悪液質、老化などを治療する。

 

タウリン

タウリンは胆汁酸産生を促進する。胆汁酸は全身に広く発現する胆汁酸受容体(TGR5)に結合し、糖代謝を改善し、肝臓のグリコーゲンを増加させる。胆汁酸は肝臓の脱ヨード酵素を活性化してT4→T3変換を促進し、基礎代謝量を増加させる。Se、ZnもT4→T3の変換を促進する。

タウリンはGABAアゴニストで、ドーパミンを増やす。タウリンは脳におけるトリプトファンの毒性を打ち消す。タウリンはテストステロンを増やす。タウリンはPUFAとエストロゲンの排泄を促進し、インスリン抵抗性を改善する。

タウリンはビタミンA、D、E、Kの生物学的利用度を高める。タウリンは食事からのタンパク質の利用を劇的に改善する。

タウリン、BCAA、MgはCaイオンチャンネルの抑制により、心筋梗塞の損傷を軽減する。タウリンは線維化を抑制する。タウリンはVEGFインヒビターでがんに有効である。ウイルス、細菌、真菌、毒物の排泄を促進する。タウリンアスピリンの吸収を倍増する。

不眠症、うつ、精神病、PD、AD、脱毛症、肥満、糖尿病、高血圧、心筋梗塞脳梗塞甲状腺機能低下症、腎障害、炎症性疾患、がんなどを治療する。

 

テアニン

テアニンは緑茶・紅茶に含まれる旨味成分である。テアニンはGABAアゴニストである。テアニンはセロトニン合成阻害と分解促進により強力にセロトニンを減らす。一方、ドーパミンを増やし、グルタミン酸アンタゴニストである。また、テアニンで脳のα波を増やして鎮痛効果がある。

また、テアニンはコルチゾールを減らし、アンドロゲンを増やし、エストロゲンを減らす。

テアニンは肥満細胞を安定させ、抗ヒスタミン、抗セロトニン効果を発揮し、アナフィラキシーショックを抑制する。緑茶(カテキン)はエストロゲン性なので摂りすぎに注意が必要。

不眠症、うつ、興奮性、IBS/IBDアナフィラキシーショックなどを治療する。

 

注)参考文献を確認したい方は、Ray Peat Forum(https://raypeatforum.com/community/)でキーワード検索してください。(例えば、Haidut, glycine, GABA)HaidutはGeorgi Dinkovのペンネームです。