ケト、それは魔法のダイエット

脂肪細胞は他の組織と比較して、極めてインスリン感受性が高いため、体脂肪をエネルギー源として利用するためにはインスリンを極めて低く保つ必要があります。肥った人はインスリンが高いので常に脂肪貯蔵モードに入っており、脂肪をエネルギーとして利用することができません。私たちは食べ物を考えただけでインスリンを分泌しますが、肥った人はそれだけで空腹となり、主なエネルギー源となっている炭水化物をむさぼり食べてしまうのです。

食事ガイドラインは、「食べる量を減らし運動する」、「脂肪、特に飽和脂肪酸を避ける」、「主に植物食を摂る」、とするカロリー制限と低脂肪高炭水化物食(LFHC)を勧めてきました。しかし、カロリー制限は空腹を引き起こすため持続が難しく、炭水化物はインスリンを上昇させて脂肪の燃焼を阻むのです。

持続可能な食事とは、満足するまで食べることが出来る食事を意味します。カロリーを計算せずに、痩せた人と同じだけ食べることが出来なければいけません。インスリンを最小限にして、満足するまで食べることが出来る唯一の方法は炭水化物を脂肪に置き換えるケトジェニック・ダイエットになります。炭水化物をほとんど摂らず、肉と緑色野菜からなる低炭水化物高脂肪食(LCHF)を意味します。

LCHF/ケトでLDLが上昇しますが、心疾患や慢性疾患による死亡は、LDLではなくメタボリック症候群、つまりインスリン抵抗性に起因します。LCHF/ケトによりインスリン抵抗性は改善し、全ての人が健康を取り戻すことできます。特に、肥りやすい人にとって、LCHF/ケトは魔法のダイエットと言えるでしょう。

詳しくはFB特集記事「LCHF/ケトの話」をご覧ください。

 食べ物で病気を治す - むらもと循環器内科 (muramo10.com)

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#ケト #インスリン #脂肪細胞 #LCHF #LDL #ダイエット

水素水を飲もう!

「水素水は健康に良い」という話を聞いて、本当だと思いますか?実は、れっきとした科学に裏打ちされた真実なのです。
2007年、太田成男(しげお)先生は、それまで細胞内で何も機能しないと考えられていた水素分子が、細胞中のヒドロキシルラジカルのような酸化力が強い活性酸素を消去して、細胞の防御能を高めることを示し、世界中を驚愕させました。
以来,数多くの動物実験により、水素の驚異的な治療効果や予防効果が次々と明らかとなり、現在、臨床試験もいくつか実施されています。
水素は組織や細胞の中に迅速に拡散し、酸化還元反応系を乱すこともなく、活性酸素種によるシグナル伝達を阻害することもしません。さらに、水素は遺伝子の発現を制御することにより、抗酸化作用、抗炎症作用、抗アレルギー作用、抗アポトーシス作用を示し、さらに、エネルギー代謝を活性化させます。
水素は害がなく、ほとんど全ての病気に有効です。特に、心筋梗塞脳梗塞パーキンソン病アルツハイマー病、慢性関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、糖尿病、脂質異常症、がんの放射線や化学療法などに効果があります。水素水の飲用は、これからの医療を根底から変える可能性を秘めています。
太田先生の話では、来年の1月頃から、250mlで100円の飽和水素水が発売されるそうです。健康のために、誰もが手軽に水素水を飲用する時代は、そう遠くはないかもしれません。
詳しくはフェイスブック特集記事「水素について」をご覧ください。

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概日リズムを整えよう!

照明の普及に加え、TV、パソコン、スマホなどスクリーンの氾濫により、ほとんどの人の概日リズムは壊れかけています。概日リズムの乱れは、心疾患、代謝疾患、消化管疾患、免疫疾患、精神疾患など、多くの病気に関連します。
ブルーライトが網膜のメラノプシンを活性化し、視床下部の視交叉上核(SCN)を刺激して、脳の概日リズムを調整することが分かりました。しかし、すべての臓器は独自の概日リズムを持つことも分かったのです。脳の時計は光に反応しますが、腸・肝臓・心臓・腎臓の時計は食べ物に直接反応します。つまり、力強い概日リズムを得るには、光の調整だけでは不十分であり、脳と消化管の概日リズムを一致させる必要があります。
概日リズムを整えるためには、睡眠、時間制限食、日光浴、運動の調整が鍵となります。健全な概日リズムのために、子供は9時間、大人は7時間の睡眠が必要です。食事は特に重要で、8-11時間の時間制限食により、睡眠と活力を改善し、健康なマイクロバイオームを育て、免疫能が向上します。自然光を浴びることも大事で、病気の人は10000LUX、普通の人でも1000LUX以上の日光を少なくとも30分以上は浴びる必要があります。また、運動は筋肉からミオカインを分泌させ睡眠を改善させます。運動により健康な筋肉の概日時計を育むことは、健康な体と精神を維持するためにとても重要です。
より健康な生活を願うなら、概日リズムを整えてみませんか?
詳しくはFBノート「概日リズム(サーカディアンリズム)」をご覧ください。

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迷走神経を鍛えよう!

自律神経は、無意識に、循環、呼吸、消化、排泄、体温調節など、基本的な生命活動の維持に働き、私たちの健康を管理します。交感神経は「闘争か逃走か」、副交感神経(迷走神経)は「休息と消化」で働き、互いに相反する役割を担います。迷走神経は胸腹部の全ての臓器に分布する副交感神経です。

迷走神経は、コリン作動性抗炎症経路により、免疫細胞が分泌したサイトカインを感知し、サイトカインの産生を抑制することで、宿主に起きる免疫反応を短く局所化し、炎症の拡大を抑制します。

特に、100兆個のマイクロバイオームが共生し、身体の70%もの免疫細胞が集中する腸管と脳は、迷走神経を介して双方向に交信することで、炎症をコントロールホメオスタシスを維持しています。

つまり、迷走神経を活性化することにより、私たちの自己治癒能力は高まり、健康で居続けることができるのです。その手段として、最も重要なのが深呼吸(横隔膜呼吸)です。鼻で吸って口で吐いて、1回10秒、1分間6回を目安に、5分間続けてみましょう。2番目に重要なのが寒冷刺激です。できるだけ冷たい水を、首筋か顔にシャワーします。呼吸を整え、少しずつ長くしていきます。3番目は歌ったり、うがいをしたりして咽頭喉頭の筋肉を鍛えます。そうすることで迷走神経全体が活性化します。

長い間、ストレス下にいると、迷走神経の機能は徐々に低下し、炎症性腸疾患、メタボリック症候群、心疾患、うつ病認知症、がんなどを引き起こすようになります。迷走神経を鍛えて、自分本来の回復力を取り戻し、より健康に暮らしてみませんか?

詳しくは、FBノート「迷走神経と健康」をご覧ください。

 

#迷走神経 #コリン作動性抗炎症経路 #免疫細胞 #サイトカイン #脳腸管軸 #マイクロバイオーム #深呼吸 #寒冷ばく露

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スタチンでどれだけ心筋梗塞は防げるの?

「LDLコレステロールは低ければ低い方が良い」と学会が主張する最大の根拠がメタアナリシスです。複数のランダム化比較試験(RCT)の結果を統合し分析する論文で、最も信頼性が高い根拠とされています。しかし、倫理規制が敷かれる前のRCTばかり集めて、それ以降のRCTを無視したメタアナリシスは、選択バイアスにより信頼性を端から失っており、スタチン治療の有効性を主張する根拠とはなり得ません。

百歩譲って、スタチンの有効性を認めたとしたら、実際のところ、どれくらい有効なのでしょうか?あるエンドポイントに到達する患者を1人減らすために、何人の患者の治療を必要とするかをNNT(Number needed to treat)と言います。心筋梗塞既往患者が5年間スタチンを内服した場合の心血管イベント予防のNNTは39です。つまり、5年間治療しても、39人のうち心筋梗塞を回避できるのは一人だけということです。

スタチンで心血管イベントが35%減少するという話は相対的効果であって、絶対的効果は微々たるものでしかないのです。新規糖尿病発症のNNTが50、筋肉傷害のNNTが10であることを考えると、スタチン治療にメリットがあるとはとても思えません。

また、スタチンの効果を平均余命の改善で評価した論文では、5年間スタチンを内服すると、一次予防で3.2日、二次予防で4.1日延長するとされています。どちらにしても微々たる効果しか得られないことが実感できたのではないでしょうか?

「60歳以上は、コレステロールが高い方が寿命が長い」との事実を無視して、学会はさらにコレステロールを下げる方向に向かっています。肝臓のLDL受容体を分解しLDL除去能力を低下させるPCSK9と言う酵素を阻害する薬(レパーサ)でLDLを30mg/dL近くまで下げるRCTの結果、心血管エベントが有意に減ったと大騒ぎしているのです。しかし、その裏で、有意ではありませんでしたが、総死亡も心血管死も増加したのです。死亡が増える薬にどんな価値があるのでしょうか?さらに興味深いことには、4年間予定の試験がわずか2年で中止となったことです。表向きには結果が非常に良かったからとなっていますが、死亡に有意差が出るのを恐れたとしか思えません。ちなみに、この薬は注射薬である上に、3割負担でも年に18万円もかかります。

脳の60%が脂質で、その半分がコレステロールで出来ています。コレステロールは、細胞膜、ホルモン、ビタミンD、胆汁など、生体に不可欠な物質です。それでも、やっぱり、コレステロールは低ければ低い方が良いと思いますか?(つづく)

「スタチンって本当に健康に役立っているの?」も参考にしてください。

 

むらもと循環器内科  
住所:札幌市厚別区厚別中央2条4丁目9-15新札幌中央メディカルビル3階
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#スタチン #RCT #メタアナリシス #NNT #平均余命 #PCSK9 #レパーサ

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ケトンって凄くね?

太古の昔から人間の生命を支え続けてきたケトンは、飢餓状態の単なる補助エネルギーなのだろうか?

ケトンは糖と比べ熱効率が高く、かつ、フリーラジカルの発生が少ない理想的なエネルギーである。加齢に伴うインスリン抵抗性があっても、ケトンのエネルギー効率は高いまま維持される。またATP、NAD+、NADP+、CoAなどのヌクレオチド補酵素を充電し、体内の無数の代謝反応を活性化させる。ケトンは、認知症、がん、糖尿病などの慢性疾患を予防・改善するとともに、ハードな運動による疲労消耗からの回復力を高める。

サーチュインタンパク質は、エピゲノムの修飾を維持し、DNA傷害を修復する。ケトンはフリーラジカル発生を減らすだけでなく、NADPHによるグルタチオンのリサイクルを加速し、フリーラジカルを効率的に除去して、DNA傷害を減らす。また、ケトンはサーチュインタンパク質の生成に必要なNAD+を増加させる。つまり、ケトンはサーチュインタンパク質を正常に機能させることで、幹細胞を正常に働かせて、老化を予防するのである。

ケトンは私たちを健康にする奇跡のエネルギーである。つまり、人間本来のエネルギーは糖ではなくてケトンってことである。

 

詳しくはFBノート「ケトンの話」をご覧ください。

 

#ケトン #フリーラジカル #ヌクレオチド補酵素 #サーチュイン #NAD+ #エピジェネティックス #DNA傷害 #老化

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鉄は危険ですよ!

鉄は危険ですよ!

最近、「鉄分の不足が体調不良を招く」との考えから、鉄サプリを安易に服用する人がとても多い様に思います。
実は、私たちは、鉄を身体から除去することが出来ません。加齢とともに鉄は増える一方です。ですから、鉄の吸収は、1日の喪失分(約1mg)を補う程度に抑制され、ヘモグロビンの鉄をリサイクルする様、厳しく調節されています。
確かに鉄は酸素呼吸で欠かせない栄養素ではありますが、過剰になれば活性酸素の大量発生を引き起こし、大切なミトコンドリアを傷害するわけで、鉄サプリが健康に良いとはとても思えません。
鉄の過剰は、高血圧、肥満、糖尿病、メタボリック症候群、心疾患、アルツハイマー病、パーキンソン病、がん、肝疾患、腎疾患、骨粗鬆症感染症、老化など多くの疾患に関わり、インスリン抵抗性により引き起こされる疾患と重なります。実際、鉄の過剰はインスリン抵抗性も悪化させます。
厄介なことに、鉄は満腹ホルモンであるレプチンを減らし、私たちを空腹にさせます。さらに、糖質、果物ジュース、加工食品、酒、タバコ、鉄サプリは鉄の吸収を促進します。一方、カロリー制限、お茶、野菜、卵、乳製品、ナッツなどは鉄の吸収を阻害します。
鉄欠乏がないのであれば、フェリチンレベルは低ければ低い方が良く、正常範囲の下限にあたる、女性で20-40 ng/ml、男性で50-70 ng/mlが最適となります。鉄過剰がないか、一度フェリチンを調べてみることをお勧めします。
鉄過剰の治療で最も確実なのが献血です。年2回の献血でフェリチンは劇的に低下します。世のため、自身の健康のため、献血してみませんか?

詳しくはFBノート「鉄を除去せよ」をご覧ください。

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# #活性酸素 #ミトコンドリア #フェリチン #献血 #キレート剤 #インスリン抵抗性