高強度運動で筋肉を増やそう!

筋肉は最もエネルギーを消費する組織です。食べ物が少ない環境では生存に不利となるため、身体はミオスタチンにより筋肉の発達を抑制します。さらに、35歳以降は加齢による筋委縮(サルコペニア)が加わります。
筋線維には遅筋、中間筋、速筋があります。遅筋は酸素呼吸に依存し、疲れにくく、回復が速いのですが、速筋は解糖系に依存し、疲れやすく、回復が遅いのです。ジョギングなどの低強度の定常運動は、速筋を刺激することなく、遅筋ばかりを利用するため、長く続けると筋肉量が減ってしまいます。筋肉量を増やすためには、中間筋や速筋も刺激する必要があります。
速筋はそもそも「闘争か逃走か」の緊急状態で働き、刺激するには高強度の運動が必要となります。遅筋→中間筋→速筋と順序良く刺激し、10-20秒しか持たない速筋を最後に働かせて、計90秒以内に限界に達するように強度を調節することが重要です。...
筋トレで損傷した筋線維が回復して初めて筋線維は太く強くなるので、運動後の安静はとても重要です。筋肉の回復には少なくとも5日はかかるので、筋トレを週に1回で十分です。
主な筋トレとして、プル・ダウン、チェスト・プレス、レッグ・プレス、シーテッド・ロウ、オーバヘッド・プレスの5つがおすすめです。どれも、動きがシンプルで、多くの筋肉群を巻き込み、安全に簡単に取り組むことができます。
筋肉が増えると基礎代謝率が上昇し、糖代謝が改善し、インスリン抵抗性が改善し、脂肪燃焼が増加します。筋トレによる多くの代謝的利益は筋肉量と共に増加します。高齢者でも同様に運動効果は得られ、基本的に練習プログラムにも差はありません。
平均88才の高齢者に筋トレを施したところ、筋量が2kg増え、多くの人が車椅子を降りて歩くことができるようになり、24時間介護の必要が無くなりました。筋トレにより、高齢者は独立、自由、尊厳を得ることができるのです。
また、筋トレにより老化の原因と考えられている筋肉のミトコンドリア機能障害が改善することが示され、若返りの特効薬であることが分かりました。つまり、筋トレは最も有効な予防医療と言えるでしょう。
詳細はFBノート「運動を科学する(Body by Science)」をご覧ください。

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